□三宮「菊兆」
明石焼きの中の神戸たこ焼き
老舗であり、名店である。
かなり古い店らしい。しかし取り上げるにおいては大分迷いがあった。内容的には「たちばな」などと同系の店なのだが、この店は明確に「明石焼き」を看板にしている。この名乗りは神戸たこ焼きの立場からは問題であり、よって少し躊躇があったわけである。しかしながら神戸において讃岐うどんを標榜しながら内容的には完全に関西出汁を用いている店があるのと同じく、内容をみると確かに神戸式なのである。
実質を重んじともかくレポートしておこう。
「明石焼き」も一種の「たこ焼き」の一つという捉え方もあるが、「たこ焼き」でもないのかも知れなかった。いや、たこ焼きメニューは確かにあるが、中には海老などをいれたものもあり、これでは卵海老焼きである。少したこ焼きにも飽きてきたので海老を頼んでみた。六百円也。
海老、シソ、コンニャクがはいる。
先ずは出汁碗と出汁注ぎに出汁。ここら辺は「たちばな」と殆どおなじ。
赤板に明石式海老焼きが十個。正に明石式のスタイルである。しかしやはり流石は神戸であり、ソースを塗って出汁でたべるというスタイルになっており、内容的には正に神戸式なのである。
そして明石式海老焼きは中々美味しく、真に捨てがたい味であった。神戸を代表する(何のかが表現しづらいが)名店の一つである事は事実である。

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