「くれおーる」
梅田にてバスを待つ事が多いのだが、その間に何度か通りがかり気になる店があった。曽根崎通りにあるたこ焼きや「くれおーる」である。看板に「くれたこ汁」なるものがあり、写真もついてあるのだが、大阪式ソースではなく、しかして明石焼きでもない。どうもたこ焼きの出汁漬け系かと思われるのだが、しかし「かけたこ焼き」の様にも見える。食する機会がなかったが、たまたま時間と小腹が空き、食べてみた。驚いた事にこれまでの分析範疇に納まらない。台にたこ焼き三つ。出汁碗にたこ焼き三つ。そし出汁注ぎがついて来る。これはC神戸式たこ焼きソース無し(出汁付きたこ焼きにソース付け不可・ぶっかけ不可)とF神戸たこ焼き(だしたこ)の中間くらいの存在である。無理に分類すると十二分に出汁がある点、碗に何玉か入れて「かけたこ焼き(だしたこ)」が出来る点を鑑みるとF系と判定したい。ソースは付かず神戸式の範疇には少し難しいのだが。そして驚いた事に最初の段階ではお茶漬けのフリカケを用いているのか、かなりのお茶漬け味であった事であり、これは初めて経験である(最初の出汁を飲みきった後、改めて注ぐと出汁となる)。薬味もワサビ(西洋ワサビ)と梅干しという取り合わせである。三つ葉やネギ麸などが付いてあり中々高級な感覚である。たこ焼き自身も大振りの見事な焼き方でまたタコも大きめ。
全く新たなる大阪の創作たこ焼きと言えるだろう。「神戸たこ焼き」とは言い難いが大阪では珍しい神戸式の出汁系であり、両者を繋ぐ中間的存在して捉えたい。

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