●波千鳥の揃い金具
波千鳥……日本の古い意匠である。刀装具のデザインに用いる事に何か意味があるかどうかは不詳で余り口傳的なものはどうもないようである。ただ千鳥足の意味合いであるならば武道極意としても使える事である。これは琉球拳法では蟹足と言うけれど真に古い武術技法伝であり、現代武道で曖昧になった極意伝の一つである。
千鳥と言うのは別の意味合いの隠語もあるが、刀とは余り関係ないだろう。ともかく先ず千鳥縁頭とそれに揃いの貝目貫が揃っていた。同じ作者のようである。貝は鮑と帆立て、それに海松が付いているようなデザイン。
それに波千鳥の鐔を入手しこれで一応の拵えが出来る事になる。鐔は色金であるが、縁頭は質の良い赤銅に波を彫り、千鳥を金銀銅で象嵌している。中々に精密な造りである。
目貫は赤銅彫りに色金仕上げ。鐔は鉄地に銀象嵌、そして銅を象嵌してそれを銀の色金で仕上げている。

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