■「なかむらたこ焼き」
吉田町に「なかむらたこ焼き屋」があり、メニューを見ると「ソース」と「出汁」があったので入ってみるとかなり微妙だった。皿にたこ焼き、出汁皿に出汁がついて来る。これでは明石に近いがとなりをみると同じものにソースを塗って食べているので我も従う。よって結果論は同じであるが、「神戸たこ焼き」として扱うには問題点が多いだろう。あげてみよう。

@スタイルは明石焼きであること。
Aソースは塗れるが、この店はお好み焼きと兼ねているのでたまたまソースがあったのみとも言える。
Bぶっかけ神戸たこ焼きほど出汁の量は無く、出汁のうま味を堪能できない。

この様な問題点を鑑み、一層のこと、丼(もしくは碗)にたこ焼きを入れ、それに出汁を掛けるスタイルを「神戸たこ焼き」の必須必要条件と置くべきかと思われた。しかしだとすると「三ツ輪」がこの条件を満たしていない。ただ「三ツ輪」の場合碗に入っているのでそれに出汁を掛ければ神戸式に早変わりする。そしてソース、かけものが充実している点を鑑みると「三ツ輪」は何方かと言えば神戸式と言えるだろうか。

なかむらたこ焼きは丁寧に造り、丸い見事なたこ焼きをやっており中々の職人芸である。良い店であるので出来ればぶっかけメニューが欲しい所ではある。

しかし色々なたこ焼きをみてきた立場から鑑みると「神戸下町たこ焼き」ではないが、「神戸たこ焼き」ではあると判定出来きる。

2007年十二月十九日、久しぶりに吉田町のナカムラによってみた。夕方で既にかなり暗い。たこ焼き出汁付きを注文。
確か八個で300円の筈だが他に客がいなかった為か、新たに焼き始め、出てきたら九個ついていた。
やはりうれしい。例によってたこ焼きは真ん丸の良い形である。たこ焼きの匠と呼ぶべきか。
ソースをつけて出汁に漬けると正に「神戸たこ焼き」の出来上がりである。

inserted by FC2 system