★論説1
神戸のタコ焼きは真に独特のスタイルの食べ物である。明石焼きとも東京系タコ焼きとも違う独特のものである。差異を明確にしてみよう。
@明石焼きはタコ焼きを出汁につけて食べる事が多い。これは大阪や京都でも同じでも多くは同じであり、そして玉子焼きといえる位玉子が勝った柔らかい皮の造りである事が多い。
A東京系のタコ焼きは我も殆ど食べた事はないが、確かソースをかけてイリコ粉や青海苔をかけて食べるのではないかと思う。
B対して神戸の食べ方は主に深いお碗にタコ焼きを何個か入れ、それに出汁(透明な鰹昆布などの良い出汁である)をいれてだす。そして客はお好みにそれにイリコ粉やソースをかけて食べると云うスタイルである。ソースをかけなければ@にも近いがしかし最初から出汁に浸かっている所が違う。また皮はやや小麦粉が勝った焼きのある比較的固い皮である。それが出汁に入って丁度良い固さになる云う感じである。神戸で我も殆ど一軒で食べたのみであり(ただし殆ど毎日食べていた)、他の店は知らず、そして東京でも他の地域でもみたことのない独特のタコ焼きであった。これぞ正しく神戸独特の食べ物文化と言えるかも知れない。


★論説2
古伝ファーストフード
たこ焼きとはなんだろう。三度の食事にでるものではなく、神戸でもさすがにオカズにはでなかった。オヤツといえるものであり、現代のファーストフードともいえる。しかし内容的には単なる甘いオカシなんぞよりよほど栄養があり、身体によい成分があるのではないかと思われる。讃岐ではうどんがオヤツにもなったというが神戸ではうどんがオヤツという感覚はさすがになく、やはりたこ焼きがオヤツであったと思う。
ただ少し気になるのは我も一軒の店しかいったことがないという事実であり、余り普遍的ではなかったことになる。うどん屋やその他に比べてかなりマイナーな食べ物だったわけである。

★論説3
誤解
神戸タコ焼きの解説に舌足らずの部分もあり、イメージしににく誤解されやすい部分があるかも知れない。よってこの点付け加えて置きたい。

誤解の第一としては「それでは要するに明石焼きの簡略版、それに大阪風にソースを付け加えて出来たもの?」と云う観念である。

確かに明石焼きにも好みでソースをつける所もあるし、また明石焼き的に食べる所を簡略に丼に出汁をかけて出すだけと云う風にも捉えられやすい。しかしこの点についてはタコ焼きの生地、つまりコナの成分自体がかなり違う事を指摘して置きたい。何方かと言えば大阪系に近いが、しかし出汁をと一緒に食べる為に大阪系とも違う部分もあり、正に神戸伝独特のタコ焼きの生地の成分となっているのである。

第一に明石焼きとは食感がまるで違う食べ物となっいることを知っていただきたいのである。

★論説4
神戸たこ焼きの優点
大阪たこ焼き、明石焼き、そして神戸たこ焼きとそれぞれの特徴があり、それぞれの価値がある。ただ神戸たこ焼きが優れているのはその優れた栄養価に加え、庶民的な利便性があるのではないかと思う。

大阪は優れた大阪うどんの伝統があるためか逆に出汁に頼らず、ソースオンリーなのは簡便でよいとは思うが、やはり出汁の栄養価が摂取できないわけである。明石焼きは出汁を用いるが、しかし漬けたこ焼きよりもかけたこ焼きの方が出汁を多く摂取できるわけである。両者の食べ方の差異を由因としてタコ焼き皮の成分も異なり、明石焼きは殆ど玉子焼きに近いできとなっている。

明石焼きは出汁や卵を多く用いる点も含めて栄養価的にもなかなかに優れた食品であるのではないかと思う。しかしながらかくした食べ方を由因として子供のオヤツとしての感覚からやや遠ざかっていると言う欠点もある事を指摘しておきたい。たこ焼きを出汁やソースで食べる事は神戸と同じであるが、明石焼きはその食べるスタイルを由因しとしてやや高価な食べ物となってしまっている。実際明石系はそこそこ大きなたこ焼き専門店があるり、そこそこの値段の食べ物である。明石焼きは卵をふんだんに使って焼き、赤い漆板の上にきれいに何個か並べおかれて出されが、これは下町庶民感覚からいえばやや高級すぎるのである。

神戸たこ焼きは確かに兵庫や長田の下町に端を発し、極小の子供向けお菓子や的趣でたこ焼きが給された。昔の神戸たこ焼きは漆板にきれいに整頓されて並べられるのではなく、鉢状のものに何個かぶっこまれ、出汁をかけて終わりである。それに客(子供たち)の好みでソースをかけたり粉イリコをかけたりして食された。空間も余り必要ではないし大変に簡便な確かに神戸古伝ファーストフードである。その栄養価はどの種類のたこ焼きよりも群を抜いて優れており、当時の子供たちの発育に寄与し、頭の回転をも促進した。

現代でオヤツといえば西洋菓子のような甘さべったりの、子供にとって「アマヤのお菓子」がどうしても多くなりがたちであるが、オヤツの効能と価値はそれだけでは足りないように思う。

甘味と言うものは子供にとって重要な要素であり、脳の発育にも必要であるから甘味菓子も否定はしないが、うま味成分も大変に重要な栄養素である。

子供のおやつとして神戸たこ焼きのようなうま味の栄養素の多いものがある事は非常に結構な事と思うのである。

というより現代的なおやつで神戸タコ焼きのようなうま味おやつは殆どなく、これは大変に重要な事であり、現代の若者が切れやすく、精神が歪んでいる大きな原因なのではなかろうか。医学的な事は専門外であるが、恐らくうま味成分は精神を安定させ、また身体の発育に重要な成分であると考えられるのである。(識者の医学的解説を期待したい)


★論説5
神戸たこ焼きの古典
いくつかの店で神戸たこ焼きを食べたが、どれが神戸たこ焼きの古伝であったのか未だわからない。四十年前の記憶を辿ると出汁はもっと多め、皮は固めだったように思う。未だイリコ粉、カツオ粉かけの店がないのがやや不満である。多分いまよりも卵は高價なものであり、それほどふんだんに使ってはいなかったのではなかろうか。勿論それが良いとも悪いともいえない。しかしツケたこ焼きである明石焼きが卵をふんだんに使った柔らかめであるのと対比して卵を余り使えないので出汁をふんだんに使ったと考察できる。そして出汁の中でもタコ焼きの形はいまほど崩れていなかったように思う。勿論これも遠い記憶の曖昧な所であるが、しかしカケたこ焼きであるにせよ。形がすぐに壊れるようではたこ焼きの意味合いが薄いのではないかと感じられる。好みの問題もあり、一概にはいえないけれど。またソース無しの立場は少し神戸たこ焼きの独自性からみると明石系に近くなり、やはり選択であるにせソースは揃えてほしいと思う。

大阪のタコ焼き屋を梅田で覗いてみると碗にタコ焼きを入れ、それに出汁をかけたスタイルを「明石焼き風タコ焼き」として売っている。となると神戸タコ焼きとの分別がつきにくくなり、神戸タコ焼きの定義がより難しくなる。

勿論タコ焼きと玉子焼きとの差異はあるが、現代タコ焼きにもある程度玉子は遣われているしそれは成分的な程度の問題となり、ややこしい事となるだろう。ソースかけを必須とすべきかどうかはいま少し考えてみたい。

★論説6

研究発展の可能性
現在残る神戸タコ焼きを幾つか食べたが、懐かしくて良いと思ったが、厳密には現時点では各店少しづつ不満が残る事も事実である。多くは出汁が少なすぎるように感じられ、出汁のうま味を存分に堪能出来ないように感じられる。思うに明石風タコ焼きとの兼ね合いで、ある程度影響を引きずっているのか少し明石風の立場をとった少し出汁の少なめの店が多いように思う。

感じとしては「味一」が最も出汁が充実して昔の神戸タコ焼きに近い様に感じられる(ただ粉ものが欲しかった)。またソースをかけを基本としない店もあり、少し物足りない。又掛け物(イリコ粉、カツオ粉、一味、青海苔などなど)が少ない店が多い事も不満である。

思うに神戸下町タコ焼きは出汁のうま味にイリコ粉やソースの味、その他をこれでもかと云うほどプラスして思う存分の味を現出した所に子供たちが求める面楽的な良さがあるのではないかと思う。この面楽的な美味さと云う要素は重要で、これが成長期の子供の身体が欲する真に重要な栄養素なのである。それが各子供たちが比較的自由に(自分の身体にあったように)調整できる事に深い意味がある。出来合いの菓子ではで不可能な素晴らしい子供おやつ文化なのである……と思う。

玉子焼きの柔らかさで出汁のみで味わう明石焼きの上品さとは此処が違う所なのである。この味は冷やや、もしくは茹でた水鳥(※)と一緒に頂くには最高の肴であるが子供おやつではない。

かくした下町の存分の味を現出してくれる店がないか、次回神戸入りした時により深く調査したいと思う。



ともかく明石焼き、大阪タコ焼きの狭間にある神戸タコ焼きの立場として、現在の有り様は少し中途半場と云う感じがする。様々なうま味のオーケストラの世界を作ったはずの神戸下町タコ焼きが、明石風だったり大阪風だったりするのでは神戸タコ焼きの良さが100パーセント発揮されないのではなかろうか。大阪タコ焼きは出汁を遣わない代わりに様々な材料を混入して独特の味覚の世界を現出しているのであり、それに対抗するには存分なる出汁の量と様々なフリカケ物が必要なのではなかろうか。

早い話しが現在の有り様では大阪タコ焼きの愛好者が神戸タコ焼きを食べた所で多くの場合その中途半端な味に物足りなさを感じがっかりしてしまうのではなかろうか?

ともかく現在の神戸のタコ焼き屋さんにもまだまだ研究をして頂いてより深い独特の味の世界を現出して頂きたいと切に願う所なのである。



いま少し不満を漏らせば、もう子供ではないからかまわないが、子供が食べるにしては少し高めの感じなのがきになる所ではある。40年前ではあるが、5円で食べせていた「磯田」さんは凄い店であった。



※勿論これは熱燗の譬えである。

★論説7
専門店
地元を探ると流石に神戸たこ焼き(だしタコ)を食べれる店はそれなりには散見される。ただ基本が「だしタコ焼き」でない店が多い事は気にかかる。昔の磯田はたこ焼き専門店(コンニャクなどの他の具の方が多く、たこ焼きではなく「コンニャク焼き」ではないかと云うクレームもあったが)であった事は注意しておきたい。色々回って神戸たこ焼きの専門店と言えるは「おふくろさん」と「味一」「吉元たこ焼き」くらいだろうか。「ひろちゃん」や「淡路屋」はお好み焼きその他も主力商品としている。しかしここら位は「神戸たこ焼き」の専門店と行ってよいかと思えるのである。
他の店は大阪式、明石式の中に神戸下町式の「だしタコ」も食べれると云う感じの店だろう。考えて見れば普通のたこ焼き屋でも出汁を備えるだけで神戸たこ焼きを提供することは容易であり、その方式の店が多く出来る為には神戸たこ焼きと云う方法論がもっと普遍化すれば良いかと思う。これは比較的容易な事であるかも知れない。
しかしそれはそれで良いとしても、そのような店のあり方ではなく、神戸出身の者としては神戸たこ焼きの専門店的なものも多く期待したとは思うのである。もちろん認知度の低い神戸たこ焼きオンリーで経営が出来ないと云う可能性は大きいので大阪式も備える事は良いかと思う。しかし基本ベースが「だしタコ」の店が出来ては欲しいのである。
食べ物と云うものには一種の拘りが必要であり、それが店側にも、そして客にもないとどんどん質が落ちて行く。
一般のたこ焼き屋が出汁を備えただけで「神戸たこ焼き」になると云う立場は間違いではないが少し物足りない。神戸たこ焼きの誇りに掛けてレベルの高い出汁も研究して欲しいし、かけ出汁に合うたこ焼きの生地も研究して頂きたい。そして他ではまねの出来ないレベルの味を現出してこそ一つの文化と言えるかとは思うのである。
かつての大阪や神戸の上方うどんは正に他がまねの出来ない超絶的な秘伝法をあみ、高い食文化を保持してきた。現在それが殆ど失伝状態と云う問題点はあるが、極一部ではあるが、何とかその秘法は受け継がれている。
神戸たこ焼きがそこ迄の高い文化を築けるかどうかが問題である。
かつてかくした高い位置まで上り詰めた事があっかどうかは別の問題であり、これは残念ながら今としては確認しようがない(我の余りに幼少期の頃であり、味の記憶が乏しくなっている)。だがもっともっと美味しい出汁の世界を作る事は研究の果てには出来るのではないかと思うのである。その為にも神戸たこ焼きと云うものをもっともっと認知させる必要があり、多くの店が出来て、そのような層の厚い中で互いに切磋しながら高い境地を目指す必要があろうかと思うのである。

★論説8
定義について再論
尼崎のナイス市場のたこ焼き屋のスープたこ焼きは映像を見る限り明石焼きのようである。この点「たこの家」とは違う。「たこの家」は所謂たこ焼きであり、それに出汁を掛けてという形態であり、正に神戸たこ焼きの原典であると思う。これにソースを掛けてというアイデアが入ったのは兵庫区や長田区においてであり、独特の神戸下町たこ焼きが出来たわけである。

思うに尼崎ナイス市場や延月堂のものは明石焼きの少し略式であり、「たこの家」のものは「神戸たこ焼き」。ソースを付ける事を基本とする店こそが「神戸下町たこ焼き」と分別べきかと思われた。ただこうなるとたこ焼きに出汁を付けて出す「出汁付きたこ焼き」はどうなるかという問題が遺る。「神戸式たこ焼き」とでもすべきだろうか。

次の6つのランクに分けてみよう。

@大阪たこ焼き(ソース付けたこ焼き)

A神戸式たこ焼き(出汁付きたこ焼き)

B神戸たこ焼き(だしたこ)

C神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)

D略式明石焼き(玉子焼きを出汁掛けにて)

E明石焼き(出汁付き明石焼き)

これで何とか全て分類できるだろう。これからはランク2(A)、ランク3(B)などと表記する事にしよう。

おっと、やはりこれでは三ツ輪が何処にも属せない。しかし少し無理はあるが「ソース」と「掛け」の要素があるのでCの範疇と考えたい。

★論説9
定義再々論
探すと神戸たこ焼き屋は流石に各地に残っている。また「神戸たこ焼き」ホームページなどの影響もあり、認識していなかったたこ焼きやも新たな認識を持ち、神戸たこ焼きもメニューに入れてきた例もあるように思われる。これは喜ばしい事ではあるが、一面安易過ぎる面もないとはいえない。普通のたこ焼き、出汁付きメニューに単にソースを付けて神戸たこ焼きという事は少し考えさせられる事項である。
またそれとは別に色々訪れたが根源記憶の昔の磯田のたこ焼きと同じスタイルが不思議に何処にもないのも不思議である。
即ち磯田のたこ焼きは碗にたこ焼きを入れ、出汁をぶっかけて出す。それを客はチューブのソースと鰹粉を掛けて食べるというスタイルだった。一番近いのは新開地「たこまる」で此処はほぼその通り。ここで「だしたこ」を頼むとポリエチレンではあるが、碗に出汁のぶっかけで出てきて、それにチューブソースと粉ものを掛ける。ただ鰹粉に加え、一味や青海苔まである事が違っているが、大阪式もある為だろう。流石は新開地の地元であり、根源式に最も近い。
また「里村」もかなり近似しており、ソース、鰹粉が使用可能である。ただしソースはチューブではなく刷毛塗り式である。
他の店は微妙に鰹粉がなかったり、ソースが刷毛式であったり(これではお好み焼き用である「里村」の例)、ソース先塗りだったり、出汁が別碗だったりした。
「たこまる」も多くのメニューの中の一つとしての「だしたこ」であり、碗がポリなのは不満である……。

それはともかく別碗出汁付きの方式は少し疑問に残る所で、これではやはり出汁に一つ一つ漬けて食べるという感覚が強く「神戸下町たこ焼き」の定義を少し外れているようにも感じられる。
いま一つもっと細かく分類して行こう。
ランク分けはまた時間を掛けてやるとして先ずは全てのパターンを出してみよう。
先ずは先般の定義を再出してみよう。


@大阪たこ焼き(ソース付けたこ焼き)
A神戸式たこ焼き(出汁付きたこ焼き)
B神戸たこ焼き(だしたこ)
C神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)
D略式明石焼き(玉子焼きを出汁掛けにて)
E明石焼き(出汁付き明石焼き)



先ずAが細分化される。

A−1
神戸式たこ焼きソース付き(出汁付きたこ焼きにソース付け可能・ぶっかけ不可)「なかむらたこ焼き」
A−2
神戸式たこ焼きソース味(出汁付きたこ焼きにソースが既に掛けてある・ぶっかけ不可)このタイプは未だない。
A−3
神戸式たこ焼きソース付き(出汁付きたこ焼きにソース付け不可・ぶっかけ不可)

次はCに幾つかのパターがある。先ずぶっかけか碗付きかで分けみたい。

C神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)
F明石式神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)

その上にまたCはソース先付け、後付けに分けられる。

C神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)
G神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)

先ずCを分ける。
C−1神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉有り)
C−2神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉無し)

Gを分けると、
G−1神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉有り)
G−2神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉無し)



Fを分けると
F明石式神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース先掛け)
H明石式神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース後掛け)



以上鰹粉や他の掛け物もの(一味や青海苔、その他)、またソースのチューブか刷毛かの問題もあるが、小異はまた分類するとして以上で分類し直してみよう。


@大阪たこ焼き(ソース付けたこ焼き)
A−1
神戸式たこ焼きソース付き(出汁付きたこ焼きにソース付け可能・ぶっかけ不可)「なかむらたこ焼き」
A−2
神戸式たこ焼きソース味(出汁付きたこ焼きにソースが既に掛けてある・ぶっかけ不可)このタイプは未だない。
A−3
神戸式たこ焼きソース付き(出汁付きたこ焼きにソース付け不可・ぶっかけ不可)
B神戸たこ焼き(だしたこ)
C−1
神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉有り)
C−2
神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉無し)

D略式明石焼き(玉子焼きを出汁掛けにて)
E明石焼き(出汁付き明石焼き)
F明石式神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース先掛け)
G−1
神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉有り)
G−2
神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉無し)
H明石式神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース後掛け)

この中の
C−1
神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉有り)


を根源記憶の究極たこ焼きとしてランク分けをしてみよう。



@大阪たこ焼き(ソース付けたこ焼き)
A明石焼き(出汁付き明石焼き)
B略式明石焼き(玉子焼きを出汁掛けにて)
C神戸式たこ焼きソース無し(出汁付きたこ焼きにソース付け不可・ぶっかけ不可)
D神戸式たこ焼きソース付き(出汁付きたこ焼きにソース付け可能・ぶっかけ不可)
E神戸式たこ焼きソース味(出汁付きたこ焼きにソースが既に掛けてある・ぶっかけ不可)このタイプは未だない。
F神戸たこ焼き(だしたこ)
G明石風神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース先掛け)
H明石風神戸下町たこ焼き(明石式たこ焼きにソース、ぶっかけ可能)(ソース後掛け)
I神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉有り)
J神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース先付け)(鰹粉無し)
K神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉無し)
L神戸下町たこ焼き(だしたこにソース)(ソース後付け)(鰹粉有り)



各段階にあてはまる店を上げてみよう。



@多くの大阪たこ焼き屋
A多くの明石焼きたこ焼き屋
B「延月堂」
C「友喜」
D「なかむらたこ焼き」
E今の所無し
F「たこの家」「Very Very」
G「大安亭たこ焼き屋」「一番」
H「三ツ輪」
I今の所無し
J「おふくろさん」「ひろちゃん」「味一」「淡路屋」「very berry YOSHIDA」
K「よしもとたこ焼き」「赤だこ(マルシン店)」「たこ次」
L「磯田」「たこまる」「里村」


★論説10
大日商店街で考える
大日商店街を通って三軒ほどたこ焼き屋を巡って、存外この地帯が神戸下町式を踏襲していたので感慨を新たにした。「ドレミ」が出汁式を止めてしまったのは残念であるが、この地帯では神戸下町式の店が多かったのだろう。「はせ」はほぼ「神戸下町たこ焼き」と考えて良いと思う。

しかし「たこ十」は少し定義外れがある。とはいうものの、定義した@AB以外のものは正に明石式と大阪式の中間の方式であり、全て「神戸たこ焼き」として捉える事も一つの考え方として良いのではないかと思う。

その中に究極の神戸式、丼に出汁をぶっかけ、ソースを掛ける究極の「神戸下町たこ焼き」があるのだいう風に捉えたい。だからD以降は神戸式と捉える事も一つの考え方である。ただCは少し問題で、これを認めると数の多さの問題もあり、蒐集がつかなくなる可能性がある。またAとの分別がたこ焼き玉の差異のみとなり、分別が難しくなる。明石焼きとたこ焼きは確かに違うが、しかし決定的な差異はないともいえるのだから。

ともかく一方で究極の「神戸下町たこ焼き」を求めながら、D以降の店もある程度認め、時に応じて紹介したいと思う者である。

★論説11「欠けた部品」
神戸たこ焼きの分類のEは該当する店がないとしたが、続けて二件ほど発見できた。三宮の「ケバブ」と水道筋の「タナカ」である。また定義外の店として大阪梅田の「くれおーる」の「くれたこ」があった。しかし十二分に出汁をあることを鑑みてFの「だしたこ」の処に分類しておきたい。

★論説12「明石焼きとたこ焼き」
「明石焼き」は「たこ焼き」である。しかしたこ焼きは必ずしも「明石焼き」ではない。だから……とややこしいことを論説しても正にややこしくなるばかりである。ともかく神戸では明石焼きと称して出汁のたこ焼きを出して、そしてソースをつけさせる店が結構あり、これも今までの分類外である。困った困ったであるが、ともかくMとして「神戸式明石焼き」の項目を設けたい。
この分類に当たるのが「菊兆」「たこ八」である。



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